育毛剤としては、毛母細胞に栄養分がいけば、
細胞分裂を繰り返して成長していくわけですから、毛髪は伸びます。
一つの方法としては、毛母細胞に来ている毛細血管を広げて、
栄養分を運んでくる血液の量を増やせばよいのですから、
頭皮の温度を上げたり、刺激を与えて毛細血管を広げるのが良い方法です。
従来もこのような働きを持ったトウガラシ、ショウガ、ニンニク、センブリなどを
アルコールに溶かした、いわゆるチンキ剤が多く用いられていましたが、
直接毛根には届きませんでした。頭皮に刺激を与えたり、温度を上げたりして
このような効果を期待してある程度の効果を出してきたわけです。
最近の宣伝物をみますと、毛根まで届いていて働くと書いてありますが、
皮膚は水を体内に入れない働きの器官です。当然水に溶けている物質も入りません。
皮膚の一番上の角質だけには入りますし、またここだけは水が必要なのです。
お風呂に入っても、雨に濡れても体重が増えることがないことからも、
身体には皮膚を通して水が入ることはないことがわかります。
植物から抽出した成分だから、毛根を植物の根と同じように考えて、
届いて効くといっていますが、皮膚を通して入るのは、油に溶ける物質を
油に溶かしたときだけです。
それも栄養分としては口から摂る量の100分の1くらいしか入りません。
このようなことから従来の育毛剤程度の効果は期待できますが、
特別な効果は期待しすぎないようにしてください。
毛髪が発生してから皮膚の表面に出てくるまでには、80~90日間もかかります。
効果があったとしても3cm伸びないとわかりませんから、
最低6ヵ月は使用し続けないと効果はわからないと思います。