ここ数十年来、男性にも洗髪回数の増加が定着し、
フケとりシャンプーの普及もあって、
以前ほどフケ症の人は見かけなくなりました。
フケは頭皮の角質細胞が新陳代謝の結果として
できる不要となった角質と、ホコリなどの汚れとが
混ざった物質で、小さくて正常であれば皮膚でいう
アカですから目立たないのですが、
大量に出るとフケとして認められるようになります。
一般に見られるネットリとした大きなフケは、
脂性のフケと考えて良いと思います。
皮表膜(脂肪膜)が多くなりますと、
表皮常在菌の内マラセチア・フルフル(真菌)
という菌が皮脂を栄養源として異常に繁殖し、
頭皮を刺激して表皮の下部の基底細胞から
有棘、顆粒、淡明、角質の各細胞に変化する日数、
いわゆる皮膚のターンオーバー(細胞周期)を
通常の28~42日を、半分くらいの日数で分化させるので、
角質細胞のいらなくなった量が異常に増えて、
フケの原因となっています。
手当てとしては、洗髪回数を増やすことと、
真菌の殺菌剤、例えば硝酸ミコナゾールや、
ヂンクビリチオンなどの入ったシャンプーの
使用により改善されます。
一方、洗髪すればするほど、
細かいパサパサしたフケが多くなる人が見られますが、
これはセラミド(細胞間脂質)が少なく
角質細胞同志の固着力が弱いために角質がはがれ落ちるので、
主に女性に多いアレ性肌の人に見られますが、
シャンプーも洗浄力の弱いオイルシャンプーにして、
洗髪回数も少なめにすれば改善されます。
このようにフケにも 2 種類ありますから、
理容室・美容室の利用や、頭髪用品の品揃えに
力を入れている薬局,薬店などで相談されることをお勧めします。